「カスタマイズ賃貸」 の魅力を駆使、自分のセンスでお部屋づくりを満喫し、素敵に暮らしている佐藤 綾子さん (仮名) 。彼女は暮らしのなかに見過ごしがちな、 「今あるものを活かしてもっと高める機能性」 づくりの名人です。ご家族の影響だというそのオリジナルな手法は、まるで彼女だけのメソッドとも言えそう。今回はその秘訣をほんの少しですが教えていただくことができました。
ものを大切にして、再生させる。家族から受け継いだ 「今あるものを活かす」 発想から機能的な暮らしが生まれる
私が部屋作りをする上で大事にしている点は、家族から受け継いだものです。それは、もともとあるものを活かして、さらに暮らしやすくなるように工夫をしていくということ。
引越すにあたり、その部屋に合わせて、すべて新しく買い替えたり作り直すのも、それはそれで統一感が出て素敵だと思います。でも、全部を新しく買い換えるといったことではなく、今持っているものを活かせばもっと素敵になれる。機能的になれる。ちょっとした工夫に過ぎないのですが、その工夫自体を楽しんでしまうのが私流かもしれません。
一人暮らしを始めた 18 歳の頃、黒いアイアンが印象的なベッドを購入しました。でも意外と、アイアンのベッドは個性が際立ってしまい、他のインテリアと合わせることが難しかったのです。それなので、新しくソファーやテーブルを買う際は、黒のアイアンがベースになった家具を買うようにして、インテリアの統一性をつくり上げてきました。今回手づくりしたスツールも、ベッドのアイアンと雰囲気が調和し、ぐっと全体の統一感が生まれた気がします。
また、今回同じアイアンを活用して、中原工房で自転車を壁に掛けるフックを制作しました。こういうフックも、サイクルショップに行けば売っているんですけど、 1 万円くらいします。しかも、女性の部屋においてぴったりくるような、素敵なデザインのものはなかなかないのです。でも、工房を利用して自分で作ったおかげで、好みのデザインで、 2 千円くらいで作ることができました。経済的にもデザイン的にも一石二鳥、さらにスペースの利用もできて大満足です。
住み心地の良い部屋には、機能性や掃除のしやすさが欠かせない。
既存品を賢く応用、生活動線に沿った配置にこだわって
他にも、自分なりに大切にしていることとして、デザインや見た目だけでなく、機能性も重視しています。実は、自分で作ったダイニングテーブルも、テーブルや調理台として利用するだけでなく、反対側は食器や調理道具などをしまえる棚にもなっているんです。それで棚のようにしつつ、見えないようにうまく布で隠しています。デザイン性も保ちつつ、機能性のあるテーブルにすることができました。
今計画しているのは、 1 階のスペースに、 iPad をセットして、充電をしつつ音楽を流せる棚をつくること。それにより、テーブルの上もすっきりして、 1 階で音楽を聴いて充実した時間が過ごせると思うから。また充電テーブルがごちゃごちゃしないようにできれば、掃除もしやすくなります。
やはり、部屋は暮らしていく場所ですから、どんなにおしゃれで素敵であっても機能がそぐわなければ意味がありません。住み心地がよい、というのがもっとも大切なこと。なので、暮らしやすい家にするための工夫を大切にして、機能性を常に意識することで家事や掃除などもしやすくなり、きれいに保つこともできます。出したものを片付けやすくすれば、毎日きれいな部屋で快適な生活ができますよね。
忙しい日々でも、季節感や年中行事を生活に取り入れることで、日々を丁寧に暮らすことができる
住んでみて気が付きましたが、 JR 武蔵中原周辺はファミリー層も多く、自然も豊かでとても暮らしやすいエリアです。職場は東横線沿線なのですが、通勤も楽だし、武蔵小杉のショッピングモールがあるので買い物にも不自由しません。衣食住のバランスがとても良く、健康的な街だと思っています。
また、自然が多いこの街では、季節感をより強く感じるようになりました。家の入り口にちょっと植え込みもあるので、少しではありますがきゅうりと大葉を育てています。
雑貨屋巡りをして、インテリアに合う装飾品を探すのもお手の物。
~ 佐藤さん (仮名) に教わった、機能的で心地よいお部屋づくり ~
●家具はすべて買い揃えるのではなく、愛着のあるものをメインにしたコーディネートで足していく。
● DIY でイチから手づくりするものには、生活するうえで役立つ機能性を考慮しておく。
●安価な雑貨を活用してスペースを有効活用。行動動線に沿った配置で片付け上手に。
シーズンごとに模様替えを楽しんでいる佐藤さんのお部屋。涼風が立つ秋口にはきっとまた、装いも新たになっているのでしょうね。